『天穂のサクナヒメ 実演楽曲集 奏 ―かなで―』、メールインタビューの第5回は音楽ユニット・3×4×S(さしす)さんです。
前回の記事で紹介した三味線奏者のしゃみおさんと、チェロ奏者のヌビアさんの二人からなる異色の音楽ユニット「3×4×S」。それぞれが一流の演奏家である上に、楽器の特性を生かした作・編曲も多数手がけており、世界5か国のiTunesチャート インストゥルメンタル部門でトップ5にランクインするなどの実績を持つ気鋭のアーティストです。
三味線とチェロを組み合わせるとどんな音楽が生まれるのか、言葉で説明するよりも聴いていただいた方が早いでしょう。曲はおなじみの「ビッグブリッヂの死闘」です。実際に大吊り橋で撮影されたPVもとてもかっこいいですね!
演奏技術だけでなく、クラシック・EDM・ロックなど幅広いジャンルを取り入れて唯一無二の個性を確立させた音楽性も魅力的です。
こんなすごい方々にサクナのアレンジをお願いして良いものかと恐縮しましたが、すでにしゃみおさんには「魁 ―かしら―」の演奏の件でコンタクトを取っていましたし、ヌビアさんの個人サイトで楽曲制作の依頼を受け付けていたので、思い切ってお願いしたところご快諾いただけました。
こちらからの依頼曲はラスボス戦「龍 ―みずち―」でした。曲としては本編が始まる前にゲームの映像に合わせた長いイントロがあり、本編では激しいリズムと重厚なストリングスでラスボスの威圧感を表現する難曲です。
全体としてアコースティックで和楽器中心のアルバムの中で、3×4×SのEDMのスタイルは異色でもあるのですが、異質だからこそラスボスの特異性が際立つのではないかと思いました。
実際に出来上がった曲はこちらの想像のさらに上を行くもので、宗教的なコーラスが鳴り響いたり、三味線とチェロの自由なソロが加わるなど、「龍 ―みずち―」を舞台としていながらその上で自分たちの世界観を成り立たせ、3×4×Sの音楽として昇華させてくださいました。
個性を生かした素晴らしいアレンジになっていますので、ぜひ多くの方に聴いてほしいですね。
以下、メールインタビューの質問と回答です。
Q1.アルバムのリスナーへ向けて、簡単なプロフィールをご紹介ください。
はじめまして、「3×4×S」と書いて「さしす」と読みます。3弦の三味線と、4弦のチェロからこのようなユニットが生まれました。
三味線は鋭くはじく音、チェロは伸びやかに擦る音。西洋と東洋、伝統と伝統。全く異なる音の組み合わせが、新たな音楽を創りだす。
今回はお声がけいただき、本当にありがとうございます。
Q2.「天穂のサクナヒメ」のアレンジの話を受け、また実際の楽曲を聴いてどのような印象を持たれましたか。
今回アレンジさせて頂くことになった「龍 ーみずちー」を拝聴し、シンプルな編成ながらもその荘厳さや壮大さを実現されていた点に1番重きを置きました。
アレンジを担当したのはヌビアですが、ヌビアもまた壮大な楽曲を好んで制作するため、聴いた瞬間に編曲のイメージが浮かぶようなシナジーの予感を感じました。
また、田植え唄のメロディーが盛り込まれていた点からも、ストーリーの流れをこの一曲で感じさせる、そんなラスボスに相応しい楽曲だなと感じました。
Q3.アレンジで力を入れた点、リスナーにここを聴いてほしいという点はどのあたりでしょうか。
序盤の導入は三味線とチェロ、そしてオーケストラから始まりますが、原曲とはコード進行を変え、あえて田植え唄のコード進行に乗せてみました。
また、西洋の宗教的なコーラス、和の節が聞いたフレーズ、ロックから電子音まで様々な要素や音楽が集合するようなイメージで編曲してみました。
3×4×Sでは定番となる、即興演奏の掛け合いも盛り込みオリジナリティーも入れさせていただきましたので、
初めて楽曲を聴く方も、原曲のファンの方も、3×4×Sのファンの方も誰でも楽しめるようなアレンジを意識しました。
Q4.三味線とチェロという異色の取り合わせが独自性を生み出していますが、どのような経緯で結成されましたか。
元々は2人が出演していた「しんえん」というイベントで初めて共演したことがきっかけです。
お互いに即興演奏ができたこと、国内最高峰の実力を持っていたこと、お互いの性格が合致したこと、三味線とチェロという正反対ながら相性のいい組み合わせを見つけたこと……
様々な要因から出会ってすぐに結成となりました。出会ってから今まで変わらず、お互いがお互いのモチベーションとなり、インスピレーションとなる、世界一の組み合わせだと確信しております。
Q5.告知や宣伝などありましたら、ご自由にお書きください。
3×4×Sが満を持してリリースする2ndアルバム「3×4×STYLE」が2021年5月に発売となります。
ですがまずはこちらのアレンジアルバムを是非ご購入いただき、3×4×Sの世界観、そして天穂のサクナヒメの魅力に触れて頂ければ幸いです!