2020年12月15日火曜日

天穂のサクナヒメ楽曲解説 第13回「恵 ―めぐみ―」

天穂のサクナヒメ』楽曲解説、第13回のテーマは食事シーンの曲「恵 ―めぐみ―」です。
ゲームの進行度に応じて梅・竹・松の3バージョンがありますが、ここでまとめて紹介します。


一日の仕事を頑張った後、みんなで囲炉裏を囲む夕食のシーン。食材が増えていくとともに献立の幅も広がっていき、食事によって得られる有利な能力も増えていきます。
ただそういった攻略的な観点を抜きにしても、「昨日は肉だったから魚にしよう」「卵があるから茶碗蒸しにしよう」といった感じでごはんを想像するのも楽しみのひとつです。
ときにはミルテに「コレハ…オイシイ…チガイマス…」なんて言われてしまって、どの料理が苦手だったんだろうと気になったりもしますが(笑)

梅・竹・松の3バージョンがありますが、基本となる曲はどれも共通しています。では何が違うのかというと、鳴っている楽器の数によってバージョンを分けています。
これは開発側の構想によるもので、最初期は食卓も貧しく、仲も打ち解けていないので無音で静かな食事だったのに対し、徐々にゆとりが出来て食卓がにぎやかになっていく様子を、音楽で表現しようとしたものです。
進行に応じて音色が増えていくというあたり、往年のレトロゲーム「迷宮組曲」を髣髴とさせる……といって通じるのは40代以上でしょうか。今にして思えばよくファミコンであんな構想を表現したものです。難易度が高くて最後まで聞けた覚えがありませんが(笑)

送られてきたBGMリストに当初から「食事シーン(梅)(竹)(松)」と書かれていたので、タイトルにもそのまま使わせていただきました。
ちなみに、北米版ではサウンドトラック付きの豪華版があり、今月送られてきたのですが、そこで初めて海外版の曲名を知りました。それぞれ「Blessing -Plum-」「Blessing -Bamboo-」「Blessing -Pine-」となっていましたが、Good、Better、Bestを意味するということがはたして海外の方に伝わっているんでしょうかね。

「梅」はのメロディとエレピの伴奏だけというシンプル極まりない編成で、「竹」はそこにベース・シロフォン・ハイハットが加わりにぎやかになります。「松」ではギター・笛・ドラムも加わって弾んだ様子を表現し、琴のメロディも装飾が増えて豪華になります。

14_megumi.mid

なおMIDIにはギターは入れていません。ギター音源は「RealGuitar」を使っていますが、コード構成音と鳴らすタイミングを指定するという方式で打ち込んでいるため、この音源がないと正確に再生できないからです。


次回は水のダンジョン曲「汀 ―みぎわ―」を紹介します。