2021年2月18日木曜日

天穂のサクナヒメ楽曲解説 第28回「誓 ―ちかい―」

天穂のサクナヒメ』楽曲解説、第28回のテーマは勇ましいイベントシーンの曲、「誓 ―ちかい―」です。



何度も窮地に陥ってもくじけることなく、再び立ち上がるサクナと仲間達。逆境に立ち向かう強い意思と覚悟を示す、勇ましいシーンで流れるのがこの曲です。
一度目は我が家を失っても再建を心に誓う人間達のシーン。そして二度目は最後の戦いに挑む決意を表明するサクナのシーンです。特に後者は「伴奏がついた田植え唄」→「田植え唄アレンジのこの曲」→「田植え唄アレンジのラストダンジョン」と畳み掛けてくるだけに、印象に残った方も多いのではないでしょうか。

勇猛さを表現するためオーケストラ編成にしてストリングスホルンで厚みを出し、行進曲風のスネア太鼓・シンバルなどの打楽器で力強さを、ハープで気高さを出してみました。その上で尺八・笛・三味線の和楽器陣がメロディを奏でていきます。

Aメロは尺八の旋律をホルンが遅れて追いかけるような、カノン形式を意識した構成になっています。
Bメロからの流れについては第7回の記事も参照いただければと思いますが、Bメロでは笛と三味線が第一主題を崩した旋律を奏でます。
そしてCメロでは尺八が独自のメロディを奏でる一方で、三味線が田植え唄の間奏のフレーズを2小節、続いて笛が第二主題を2小節、また三味線が2小節と、細かく主題をつなぎ合わせながら全体を構築しています。

BメロからCメロにかけての部分をMIDIにしました。

34_chikai.mid

尺八や笛のフレーズはわかりやすいので田植え唄アレンジと気づきますが、三味線にまでフレーズが隠れていたことはあまり気づかれていないかもしれませんね。
細かいところまで聴いていただけるようになると解説記事を書いた甲斐があります。ぜひ隅々まで楽しんでいただければと思います。


次回はミニゲーム「花咲かサクナ」の曲「咲 ―さかせ―」を紹介します。